占術の種類

命(めい)

「命理」とも言い、生まれた年月日時を基に、先天的に持っている性格や運勢、宿命を占うものです。個人の性格、体質、才能、社会生活における能力などを判断します。
命には次のような術があります。
淵海子平(四柱推命)・紫薇斗数・西洋占星術 他。

ト(ぼく)

具体的な事柄の吉凶や方位を判断したり、状況の行方、展開、対処法などを占うものです。何を占いたいのかを明確にするほど、答えがハッキリ出てきます。卜には次のような術があります。
奇門遁甲・六壬神課・易・タロット 他。

相(そう)

形あるものの姿、特徴をとらえて吉凶を判断し、占うものです。
相には次のような占術があります。
人相・手相・姓名判断・印相・家相・風水・墓相 他。

 

四柱推命とは

中国の宋時代に完成されたとされる占いで、生まれ持った宿命を知る事ができるものです。生まれた年、月、日、時の四要素を4つの柱で表し、それぞれに巡る干支で占うため、四柱推命と呼ばれます。年、月、日、時、には2つずつの干支文字があることから、八字と言うこともあります。その八字から運命、宿命を推理解明する占術です。
四柱推命は驚異的な的中率から千年以上もの間、国を治める指針として使われてきました。その根本原理には、東洋哲学の「陰陽五行」があります。
これは「陰陽説」と「五行説」が一つになったものであり、「陰陽説」とは世の中の事象がすべて「陰」と「陽」という対立した形でつくられ、「陰」と「陽」との相対的な関係をもって存在していると考えます。
「五行説」とは、万物は五つの要素(木・火・土・金・水)によって成り立っているという考え方です。その五行(木・火・土・金・水)にも各々「陰と陽」があり、五行の相生と相尅の相互関係により様々な作用と現象が現れるとします。五行に「陰陽」の働きが加わると十干となります。

 

 

五行の意義

五行の「五」は、「木」「火」「土」「金」「水」の五つの要素を指しますが、「木」とは「樹木」そのものの意味ではなく、それに象徴される力、働き、作用を意味するものです。「行」は廻ること、活動を意味します。


太陽は東から昇り西に沈みます。陽が沈み、静まり返った万象の上に太陽の光が差し込んでくると清々しさを感じ、生き生きした草木の姿を眺めると爽やかな気分になるものです。これを東方「木」の世界とし、時間は朝とし、色は青を配し、万物が冬眠から目覚め成長する春を連想しました。


やがて太陽は南に昇り地上の生物は太陽の恵みを浴びます。故に南方を「火」とし、時間を日中とし、季節は夏、色は赤を連想しました。


中天に輝く太陽はゆっくりと歩みを続け、地上に光と熱をもたらします。大地はその恩恵を受けて生物は成長していきます。そこで、中央を「土」、四季の「土用」とし、色は黄を配し、土気の盛んな時を象徴しました。


太陽が天に昇りきった後は次第に西山へ没していきます。斜陽は金色の光を地上に投げかける故に西を「金」とし、殺気とし、季節は秋、色は白を連想しました。


暫くして夜の闇が訪れます。万象眠りにおち、静まり返る静寂さ、冷気を「水」とし、夜とし、季節は冬、色は黒を連想しました。


 

 

相生・相尅 (そうじょう・そうこく)

自然の営む活発な働き、作用、活動が五行です。
「木」芽生え、「火」栄え、「土」熟し、「金」固まり、「水」変化する、この順序を繰り返して物は生育されます。

相生・相克とは、生物の生育が順を追って円滑に行われるか、飛び越えて妨害するのかを象徴的に表したものです。

順序が正しくされることを相生(相生じるの意味)の関係
順序を飛び越え、生育関係の順を失うことを相尅(相反発し、争い妨害する意味)の関係といいます。



相生 (木-火 火-土 土-金 金-水 水-木)
相尅 (木-土 土-水 水-火 火-金 金-木)

fig1

このように循環し、順序が狂うことのないのが大自然の運行であり、「木」「火」「土」「金」「水」は順を表す数字であると同様に、これに陰陽の両面を加えれば十の数(十干)になります。


 

 

十干

十干とは、甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き) の総称です。
十干の起源は中国の殷の時代といわれ、十日を一旬として占う卜旬が行われる際に、十日ごとに循環する日を表示する数詞として十干が用いられました。
十干の語源は草木の発生・繁茂・成熟・伏蔵の過程を10段階に分けて名づけた陰陽思想の応用です。
「きのえ」とは「木の兄(え)」で「きのと」とは「木の弟(と)」、「ひのえ」とは「火の兄」、「ひのと」は「火の弟」です。
「兄」は「陽」であり、「弟」は「陰」になります。以下も同様に考えます。

五行

 

甲冑の甲を語源とします。木の芽が殻を破って地上に伸び出てこようとする状態を象徴しています。

 

軋(きしる)を語源とします。草木初生の姿、枝も葉もまだ柔軟で伸びきらずに曲がりくねっている状態を象徴しています。

 

炳(あきらか)という文字の火偏を除いたのもで、草木が伸張し何ものであるか明らかになった状態を象徴します。

 

丁にはさかんの意味があり、草木が成長爛熟し、地中に伏在していたものが地上に出てくることを象徴しています。

 

茂る(しげる)の草冠を取ったもので、大地に草木の繁茂を象徴します。

 

起(おこる)の走偏をとったもので、繁茂した草木が成熟して勢いが盛んになる時期を示します。

 

更(かわる)の変化したもので、成熟した種子は甲を鎧って、春が再び来るのを待つ更改(こうかい)の意を表します。

 

万物の集落、夜の帳が大地を包もうとする時を象徴し、辛痛の気を自ら漲るところから辛(からし)の字を用いたものです。

 

姙(はらむ)の一部を取ったもので、土の下で種子が新しいものを孕んだ状態を象徴しています。

 

揆(はかる)という字の手偏を取ったもので、草木が地中に力を養って伸長の時を計っていることを象徴し、物事が極まり初めに還る意味があります。そして次に種子が動きだし始め、甲となります。

 

 

十二支

十二支とは、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥 の総称です。十干が十日を一旬として表示する数詞として用いられたのに対し、十二支は一年(十二ヶ月)を示すために月に付けられた数詞でした。草木の発生・繁茂・成熟・伏蔵の過程を12段階に分けて名づけ、陰陽思想の応用です。


 

孳(うむ)の字の一部を取り去ったのが子です。草木の種子が土中の水分を吸って育ち始める意味があります。

 

紐(ひも、からむ)の糸偏をとったもので萌芽が土中に春を待つ姿を表しています。

 

演(のぶる)のさんずいを取り去ったもので、草木の芽が地上に伸び出す状態を表しています。

 

茂(しげる)の意味があり、万物が生い茂ることを表しています。

 

震の雨冠を取り去ったもので、大地をゆさぶるほど、根を張り草木の活力が旺盛な状態を表しています。

 

已(やむ)意味があり、草木が繁盛を極めて、これから実を結ぶ時期に移行することを表しています。

 

忤(さからう)のりっしんべんを取り去ったもので、陰陽の分岐点、相逆らい交わる意味があります。草木が繁盛から衰微へ生じることを表しています。

 

味の意味があり、草木の実が熟成し滋味が備わるときを表しています。

 

伸の人偏を取り去ったもので、草木の実が成熟し滋味は生じたが、種核としてもうひと段落伸起を必要とすることを表しています。

 

醸(かもす)のつくりを取り去ったもので、果実が成熟し終わり、再び発芽する力を養う様を表しています。

 

滅の一部を取り去ったもので、木の葉が落ち、草枯れた状態。土中では根を戌(まもり)新しい生命に備えることを表しています。

 

核の木偏を取り去ったもの。草木が既に凋落し、生命の力が種子の内部に閉蔵された状態を表しています。

 

月を表わす記号として用いられた十二支は、年・日などの記号としても使われるようになりました。十二支が十二ヵ月の各月の特性を示したように、時刻や方位、季節も割り当てられています。


12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
季節
土用
土用
土用
土用
方位
正北
北北
東北
正東
東南
南南
正南
南南
西
西南
西
正西
西北
西
北北
西
時刻
23~
1時
1~
3時
3~
5時
5~
7時
7~
9時
9~
11時
11~
13時
13~
15時
15~
17時
17~
19時
19~
21時
21~
23時

十干というのは干の字が表すように幹、根源であり、十二支というのはそこから派生する枝、葉です。この十干十二支を組み合わせると、陽干は陽支と組み合い、陰干は陰支と組み合い、六十干支ができます。推命学は生年月日時の四つの柱の干支を組み立て、人間の存在、生活活動を推命します。